25:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:58:27.66 ID:cSUEPfQ20
みんなが帰る支度を始める。
窓の外に目をやると、もう日が傾いていて、辺りはオレンジ色に染まろうとしている。
日が高くなったとはいえ、本格的な夏はもう少し先のようだ。
窓の真正面の奥に見える渡り廊下に、人影が見えた気がしたけど、視線を向けると消えてしまった。気のせいか。
「何してるの、帰ろ?」
ボーッとしていると、イチが顔を覗き込んできた。……近い。
「おう」
財布とスマホがあるのを確認して、重たいカバンを持ち上げる。
「おーい二人とも、ちゅーするのは勝手だけど鍵閉めちゃうよー!」
「してないですよーう!」
部長の子供みたいなからかいに、イチが子供のように返事をしていた。
後ろでナナコがクスクスと笑っている。チヨは腕時計で時間を確認していた。
……どこからか、プレクトラムアンサンブルの音色が響いている。
俺は窓を閉めて、部室を後にした。
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