過去ログ - 男「ここにいたんだ」
1- 20
255:名無しNIPPER[saga]
2016/08/25(木) 14:49:38.75 ID:TLj9UmSq0
「もう高校生も半分終わってるのね」

 沈黙を打ち破るように、母が呟く。

 そうだね。気がついたらもう十七だ。

「進路はどうするの? 大学行きたい?」

「うん、できれば」

 周りは皆そうするだろうし、俺も大学はいってみたい。どんなところかはよくわからないけど。

「無理そうなら、べつに」

「そんなことないよ。好きなようにしなさい」

 最悪、あんた一人くらいなら養ってあげられるから。と、母は冗談っぽく笑った。
 
 そう言えるような大人になりたい、と思った。
 そう、思わせられるということは、やっぱり母は頑張っている。

「……ちゃんと、やれてる?」

 母が尋ねてくる。

「うん、やれてるよ」

 楽しくやってます。毎日のように来てくれる友達もいるし、学校でひとりぼっちになることもない。

「よかった」

 母はそう言うと、残りのコーヒーを飲み干した。
 食器を軽く水で洗う。

 しばらくテレビを見てぼーっといたが、母はすぐに寝室へ戻っていった。
 休みの日は寝溜めしておきたいのかもしれない。

 俺も、まだ半分以上残っていたぬるいコーヒーを飲み干して、自室に戻る。

 課題でも進めておこう。
 早めにやっておくに越したことはない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
329Res/334.42 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice