過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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264:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:08:22.84 ID:qsBzmbI/0
 周囲を見渡すように歩いていると、基本的にどの屋台にも、列が並んでいることに気づく。
 列がない屋台は、お面の屋台と、しょぼいクジ引きの屋台くらいだった。

 人が少ない道が、自然とわかってくる。

 気がつくとすごい速さで歩いていた。

 このままじゃいつか転ぶな、と思い、少し歩調を緩める。

 と、後ろから、遠慮がちに肩を叩かれた。

「先輩?」

 振り返ると、かなり近い距離にコヨミちゃんがいた。浴衣。
 あたりに他の一年生は見えない。

 驚く。
 そして知り合いがいたことに少し安堵。

「先輩、一人ですか?」

 コヨミちゃんにしては声が小さく、周りの騒音も手伝って、声が聞き取りづらかった。

「いや。迷子」

 通る人の邪魔にならないように、河原から上がって、土手に登る。

 少し暗くなるが、それでも人は多かった。

「なら、見つかるまで一緒に歩きましょうよ!」

 一人で歩くのはやたらと寂しかったので、その提案に頷く。

 土手の道は明るくなかったので、その時コヨミちゃんがどんな表情だったのかは、わからない。



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