286:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:22:13.22 ID:ilA7zgD60
道路の脇に、軽トラが停車した。軽トラなんて、この辺りではあまり見ない。
ムギちゃんが手を振る。運転席の扉が開いて、人の良さそうなおじさんが出てきた。目元が乙坂父そっくり。
ねえちゃんが近寄って行って、何か話し始めた。
おじさんから何か紙袋を受け取っている。たぶん菓子折りか何だろう。
「みんな、ありがとね」
ムギちゃんの父は、こちらを向くと、軽く頭を下げた。
突然大人にお礼を言われて、俺たちも戸惑いながら、こちらこそ、と礼を返す。
「じゃあ、行こうか」
ムギちゃんの父は、キャリーバッグを荷台に乗せると、車の運転席へ戻っていった。
ふぅ、とムギちゃんが一息ついた。麦わら帽子の角度を整えている。
なんだか寂しくなって、ムギちゃんの頭を麦わら帽子ごとぐりぐりと撫でた。
「また来いよ」
「うん」
返ってきた返事は、いつも通りのムギちゃんの声だった。
最後に、なーちゃんが手を引っ張って、ムギちゃんをトラックの後ろの方に呼び止める。
ハルが少し迷った様子を見せてから、ポケットから小さなメモ用紙を取り出す。
ムギちゃんはそれを受け取って、しばらく眺めた。
それから、嬉しそうに笑って、
「……うん!」
と、大きく頷いた。
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