313: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:57:12.98 ID:hWTEXAWe0
それからしばらく経ったある日の放課後、俺は部室に行く前に、渡り廊下に寄った。
言うまでもなく、こなたがいた。
「やあー」
と言っても、ここしばらく、探していても会えなかったんだけど。
「最後に話したのは、いつでしたっけー?」
「合宿の時だな」
「そんなに前なんですかー、時が流れるのは早いですねー」
俺はこなたに会おうと、学校が始まってから、一年生の教室を回った。
実を言うとコヨミちゃんに尋ねたりもした。
何人かの生徒に尋ねてみたりもしたが、あまりにも手がかりが少なかった。
自分のことを、こなた、と呼ぶ。
髪が短い。語尾を伸ばす。
ーーどこにでも現れて、なんでも知っている。
俺は薄っすらと、こいつは人間じゃないのか、とは思っていた。
どこにでも現れる。
学校にいても、公園にいても、果ては遠く離れた土地にいても。
どこにいても、いつの間にかそこに居て、いつの間にか消えている。
そして、俺が一人のときにしか現れない。
「なあ、こなた」
「はい?」
「お前は、俺なのか」
そう尋ねると、こなたは意味深に微笑んだ後、
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