36:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:22:18.43 ID:RhqsoqHZ0
川沿いの道を歩く。
水面が夕日を反射して眩しかったけど、なんとなく夏だなぁ、って感がして、わくわくした。遠くで鳶が飛んでいる。
「コヨミちゃん、最近よく一緒に帰るな」
「……そう?」
そんな気がする。
人数は多いほうが楽しいから、嫌ってわけじゃないけど、
コヨミちゃんは友達と帰ったほうが楽しいんじゃないだろうか、とは思う。
「まあ他の友達は運動部とかなんでしょ」
ねえちゃんは、川に架かっている橋を眺めながら、そう答えた。
「まあそれならいいんだけどさ」
それからしばらく静かになる。
二人も黙ったままだけど、今更そんなことで気まずくなるような仲でもない。
むしろ話している時間のほうが多い、ってのは、よっぽど気が会う奴でもない限り難しいだろう。
だから、そんないつも通りの沈黙の中、土手沿いの道を二人で歩いた。
ねえちゃんは歩くのが少し早いので、それに置いて行かれないように気持ち早めに歩く。
「コヨミちゃん、どう思う?」
「……まあ、可愛いんじゃない?」
唐突に訊ねてきたので、少しだけ焦って、当たり障りのない答えを返しておく。
「ふぅん」
まあよく考えてみれば、あながち嘘でもない。よく懐いてくれるし、ねえちゃんと同じくらい、顔だって整っている方だ。
何より、歳下の知り合いなんてあまり多くないから、後輩がいるのは少し嬉しかったりもする。
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