過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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43:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 08:34:00.78 ID:RhqsoqHZ0
 気がつくと、俺は渡り廊下にいた。青空天井。身体全体で夕陽を浴びる。
 腕も制服も、オレンジ色に染まっていて、幻想的ではあった。

「さすがに、気づいていないわけではないでしょー?」

 手すりに腰掛けたこなたが、水の張られていない池を見下ろしながら、そう呟く。
 辺りを見渡しても誰もいなかったので、多分俺に言ったんだろう。

「こなたは全部知っていますよー」

「俺のスリーサイズとか」

「それは興味ないですね……」

 こなたは肩まである髪をオレンジ色の風になびかせながら、こちらを振り返った。
 スカートがぱたぱたと風に吹かれる。

 こなたと目が合う。

「なんなら見てみます?」

「ぜひ」

「冗談ですよー」

 残念だった。

 ただ、見せてもらうのと見えるのは、何か違う気がしたので、まあいいことにしておく。

 渡り廊下から見える教室の窓は、すべて閉まっていて、部室の窓もぴしゃりと閉じられていた。
 どの教室にも人影は見えない。見えるのは陽に焼けたカーテンだけだった。

「先輩!」

 最近よく聞く声に、ハッと我に帰り振り返ると、想像した通りの人物が立っていた。


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