72:名無しNIPPER
2016/08/19(金) 14:11:45.10 ID:F+nlZ94w0
「……楽しそう」
「え、でも、おばあちゃんに迷惑かかるんじゃ……」
「ああ、それなら大丈夫! おばあちゃん、その間に旅行行ってくる、って!」
アクティブなおばあちゃんだ。
「なら私行きたい!」
「楽しそうですね!」
「うん! 行こうよ行こうよ!」
女子二人は乗り気のようだった。イチとナナコ。
まあ確かに、修学旅行の話とかしてても一番盛り上がるのは、この二人だし。
「えっと……」
「ちーちゃんはどう?」
隣に目をやると、部長の提案にはほとんど反対しないチヨが、珍しく今日は返事を燻っていた。
「えっと、ちょっと考えてもいいですか……?」
珍しいこともあるもんだな、と思う。
部長は別に気を悪くすることもなく、話を続ける。
「じゃあえっと、決定じゃなく、保留が一人と、あとはみんな……」
部長が目を合わせてきたので、軽く頷いておいた。
「行けるのは今の所四人!」
部長と、イチと、ナナコと、俺。
俺は、なるべく部活には参加したい。
ねえちゃんの晩御飯が気がかりではあったが、その辺り弁当とかで頼むとしよう。夏休みだし、大丈夫なはず。
「じゃあ、夏休みの部活動はそういうことにしよう!」
「はーい」
最後にササっと仕上げで窓を拭いて、片付けを始める。
イチは、部長やナナコと、「期間とかは、また決まったら連絡するってことで!」と、わいわいと楽しそうに話を進めていた。
夏休みかぁ、と呟くと、夏が一歩近づいていたような気がした。
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