過去ログ - 梓「嵐の夜に」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/20(土) 23:00:49.53 ID:Ljuzcmhc0
あずにゃん。

それまでずっと無言だった唯先輩が、振り返ってわたしの名前を呼んだ。

わたし、ずっと考えてて。あずにゃんから手紙もらってからずっと考えたんだ。
でもうまく考えがまとまらなくて。なんて言っていいかわかんなくて。

どうしてもわかんなくて答えが出なくて、こんなところまできちゃった。唯先輩はかるく笑顔をみせた。

そこはゆるやかな坂道になっていた。
心臓がばくんばくんと音を立てているのは坂道を登ってきたせいだけじゃもちろんない。月明かりに照らされた唯先輩の顔を真正面から見れなくて、うつむいた。りーんりーんと鈴虫のきれいな音色が聴こえる。
天気予報ではもうすぐ台風がやってくるといっていたのに、今夜は嵐の予感なんて微塵も感じさせない、静かな夜だった。



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