5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/20(土) 22:54:14.27 ID:Ljuzcmhc0
バスの中でも、わたしたちはふたりきりだった。(運転手さんを除けば)
車内真ん中からやや後ろくらいのふたりがけの席。そこに座った律先輩の後ろの席に腰を下ろす。
律先輩は身体ごとよじって後ろを振り返り、どうして隣に座んないんだよ? と不満そうに言った。
「梓、もしかしてわたしのことキライ?」
「…荷物があるからですよ」
おろしたリュックを隣の席に置きながらわたしは答えた。
「貸切状態なんだぜ? 取られる心配なんかないだろ。こっちに座ればいいのに」
「さっきの質問に答えていませんでしたね」
「?」
「キライじゃないけどうざいです」
律先輩は黙って首を引っ込めた。
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