過去ログ - 困り顔のモリィ
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7: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/21(日) 23:45:54.33 ID:Aj1Xs5gP0
 人工知能は不変だ。ならば、人工知能にとって意味のない文章は恒常的に『意味のない文章』たり得る。もちろん実際に書き上げられればの話にはなる。でも、モリィにとって意味のないことを意味あり気に書くことはできそうな気もする。

 そんなわたしの思惑を見抜いてか、モリィは即答する。

「不可能です。モリィにとって人間の事柄は全て意味を含みます。人間の執筆した時点で、モリィにとって有意味なのです」

「そっか。じゃあ、意味の有無はいいからさ、書いたら読んでくれる……」

 すると、モリィは立ち上がり、わたしの目の前にキーボードとディスプレイを投映した。意味がわからず首を傾げるとモリィは、

「モリィは先読みできます。もう書き始めるのでしょう……」

 そうして急かしてくるモリィを、わたしは無性に愛しく思えた。

 わたしは文字を打つ。モリィにとって限りなく意味のない文章を書き上げるために四苦八苦しながら、それを横で眺める困り顔の猫のホログラムを困らせる文章を書き上げる。


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