過去ログ - 千川ちひろ「紫煙の奥から」
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2: ◆K5gei8GTyk[sage saga]
2016/08/22(月) 21:10:37.44 ID:Bte9AddR0
 建物の三階の、西方の角にある喫煙室を利用する人は多くない。

 それどころか、わたしの知りうる限りでは、誰もいない。

 そもそも三階はスタッフが作業をするフロアであり、喫煙をするスタッフは三階中央の談話室のすぐそばに据えられた大きな喫煙室を利用するからだ。

 そうなると、何故同じ階に二箇所も喫煙室があるのかがわからないけど。


 六畳あるかないかぐらいの狭さに、無骨な木製のベンチが二つ。

 耳に残る換気扇の排気音と、何の必要性があってか、アンビエントミュージックが小さくかかっている。

 あってもなくても差し障りのないような空間。

 だけどわたしは、だからこそこの喫煙室を好んで利用している。


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