過去ログ - 提督「たまには悩み事を聞いてやろう」【安価】
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989:水雷魂 ◆k9WSufkcbI[saga]
2017/03/02(木) 10:13:11.09 ID:BBl0UuRU0
「ふう・・・」

電話を終えた提督は窓越しに外に広がる水平線を眺めた。

夜の海には鎮守府からの明かりと月明かり、クレーンの警告灯が写し出されており、それらは波に揺られていた。

ため息を吐きながら向けた先にはかつての仲間が眠る海があった。

「・・・生き残った俺が幸せになってもいいもんかねぇ」

そう吐き出す提督は弱々しかった。

沈むなか、ただ一人CICから投げ出され、ただ一人生き残った男。

そんな過去から踏み出せない彼は海に問いかけた。

『いいんですよ砲雷長』
「!?」

突然した声に提督は周囲を見回す。

だが誰もおらず、ますます不気味になってくる。

『砲雷長は頑張ったんです。生き残ったんです。少しぐらい幸せになってもバチは当たりません』
「お前は・・・」

提督はハッキリと見た。

吹雪と瓜二つだが、身長は重巡ほどはある女性が海に立っているのを。

「お前は・・・あいつらは許すのか?生き残った俺を・・・」
『砲雷長は最後まで戦い抜きました。皆さんはもちろん知っていますし、私が一番よく知っています!』
「やっぱり・・・似てるな」
『まあ、捉え方によっては母ですしね・・・そろそろ時間のようです』

そういうと女性の体がだんだん透けてきた。

「あいつらに・・・艦長達によろしく伝えてくれ」
『はい!お任せください!それと・・・妹を、よろしくお願いしますね?』
「ああ、同じ目には合わせないさ」
『流石、私の砲雷長です!それでは!』

そういうと、女性の姿は完全に消えた。

提督は再び深いため息をつくと、明日から始まるであろう戦争に備えるため、照明を消した。

消す直前に照らされた顔は、どこか清々しかった。

END...?


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