過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:43:36.00 ID:Yu37ZZYbO
ぼくは驚いてホラーマンの方を振り返った。
ホラーマンはいつものひょうひょうとした様子で、ジャムおじさんのことを見ている。
ぼくにはそれが信じられなかった。
「思い通りにしたいことなんて、この世にゴマンとあるでしょ?
私はドキンちゃんとハッピーラブラブしたいですし、アンパンマンはみんなを助けたい。
ジャムおじさんも美味しいパンを作って、みんなを笑顔にしたいんじゃないんですかね〜」
「それとこれとは話が違うんだ」
「どう違うんです?」
ホラーマンは心の底から不思議そうに、ジャムおじさんに言った。
「もし、ドキンちゃんがしょくぱんまんとハッピーラブラブになったら、私はものすごく悲しいですね〜。
とってもくらーいいじわるなホラーマンになってしまうかもしれませんよ。
アンパンマンも、もしみんなを助けられなくなったら、とっても辛いでしょ?
生きてる理由が分からなくなってしまったりするかもしれませんね〜ホラー」
ぼくはぎゅっとこぶしを握った。
うつむくぼくを見て、ジャムおじさんは少しだけ戸惑っている。
ホラーマンはそれでも追及をやめなかった。
「それに、ジャムおじさんにも気持ちは分かるはずです。
もし、ある日突然パンを作れなくなってしまったら、とっても辛いはずですね〜」
「パンを作れなくなったとしても、他のことをすればいいんじゃないかな。
どんな状況になっても、なにもできない人なんて存在しないはずだよ」
「なら、アンパンマンが死んでしまったとしたらどうなんでしょ。
代わりになるもので、心の穴を塞ぐことができますか?
生き返らせることを全く望まないと、言い切れるんですか?」
ジャムおじさんは困った顔をして、ぼくの顔を見た。
こんな表情を見るのは、初めてかもしれない。
「私は……」
そう言いかけて、ジャムおじさんは黙ってしまった。
どう声をかけたらいいか迷うぼくを、ホラーマンの肘がつつく。
ぼくは、やっと答えを決めた。
「ジャムおじさん。ぼくは絶対、ジャムおじさんの方が正しいと思います」
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