過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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43:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:11:20.91 ID:Yu37ZZYbO

悲しげに去っていく二人の背中を見送って、ぼくは再び教室の扉の前に立った。
けれど、なかなか開ける決心がつかなくて、つい立ちつくしてしまう。
ぼくが知らない現実はあまりにも衝撃的で、辛いものだった。
それを、しょくぱんまんとカレーパンマンは、ぼくには隠していたと言った。
きっと、ぼくでは受け止めきれないから、みんなで隠していたのだろう。
もしかしたら、ぼくの知らないことはまだまだ沢山あるのかもしれない。

ぼくは、みんなを助けているつもりで、届いていない助けを呼ぶ声が、沢山あったのかもしれない。


「アンパンマン?」

「わっ!」


そんなことを考えている時、突然教室の扉が開いた。
そして、ホラーマンが顔を出して、ぼくをいぶかしげに見ている。


「そんなところでなにしてるんです?早く入って欲しいんですね〜」

「あ、うん」


ぼくを教室に入れると、ホラーマンはキョロキョロと廊下を見回して、扉を閉めた。
中に入ったぼくは、こどもたちまで起きてるのを見て、驚いてしまう。


「みんな、寝てなかったの?」

「うん、寝たふりをしてたんだ」


こどもたちはみんな神妙な面持ちで、布団に座り込んでいた。
ホラーマンはぼくも布団の方に呼んで、座るように言った。


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