過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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57:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:29:58.26 ID:Yu37ZZYbO

「アンパンマン!」


ぼくは頭上から呼ばれて、声の方を見上げた。


「ありがとう、お父さんとお母さんは僕たちを嫌ってなかった!
本当はずっと怖かったんだ……。
でも、アンパンマンのおかげで、お母さんたちと会えたよ!
……本当にありがとう!」

「アンパンマン。子供達を救ってくれてありがとうね。
私たちはあなたの旅を応援します」

「ここから西に飛んでみなさい。きっと、君の求めるものがあるはずだよ」

「ありがとう、アンパンマン。
カレーパンマンとしょくぱんまんも、給食美味しかったよ!」

「みんな遊んでくれて、とっても楽しかった!ありがとう!」


ありがとう、ありがとうと声が重なって、その声を最後に、こどもたちは両親と一緒に、光になって消えた。
残っていた島も、植物も、校舎もどんどん消えていく。
その中心で、ぼくはホラーマンの声を聞いた。


「なにぼーっとしてるんですか!島が消えちゃうんですよ!?」

「えっ?」

「ほら、どんどん消えてますよ!早く飛んでください!
海を漂うのは嫌なんですね〜!」

「あ、うん。そうだね」


ぼくは慌ててホラーマンを乗せて、空に舞い上がった。
空はいつものように明るく、真っ白な雲が浮かんでいる。
そこには、もうあのこどもたちの姿はなくて、足下の島も間もなく消えてしまった。
辺りは嘘のような静けさが立ち込める。


「もう……みんなはいないんだね」


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