過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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6:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:17:33.97 ID:Yu37ZZYbO
パトロールを終えたぼくは、そーっとパン工場の扉を開いた。
もうジャムおじさん達は寝ているだろう。
そう思って音をたてないように開いたのに、ジャムおじさん達はぼくの帰りを待っていたようで、パン工場の中から大きな声が聞こえた。


「アンパンマン!」


イスに座っていたジャムおじさんとバタコさんが、ぼくの方へ駆け寄った。
チーズは待ちきれなかったらしく、テーブルにつっぷして寝息をたてている。


「こんな時間までなにをしてたんだい?」


ジャムおじさんが真剣な声でぼくに尋ねた。
その様子に、ちょっと気圧されながら、ぼくは答える。


「パトロールをしてました」

「本当なの?」


バタコさんはまた泣きそうな目でぼくを問い詰める。
でも、ぼくは本当に嘘はついていなかったので、バタコさんにうなずいた。


「本当です。パトロールが終わったか自信がなくて」

「どういうことか、聞いてもいいかい?」

「はい」


ぼくは呼吸を整えて、ジャムおじさんに答えた。


「聞こえなくなってしまったんです。助けを呼ぶ声が」


ジャムおじさん達は戸惑いを隠さなかった。
ぼくは淡々と、二人に話し続ける。


「今日一日飛んでみたけど、誰の声も聞こえなかったんです。
けど、森の上を飛んでいた時に見かけた男の子がいて、ぼくはその子の方へ飛んでいきました。
そうしたら、その子は迷子で、ずっとぼくのことを呼んでいたらしいんです。
だから、もしかしたら聞こえていないだけで、他にも困っている人がいたのかもしれないと思って」

「それで、困っている人は他にもいたのかい?」

「いえ……見つけられなかっただけかもしれませんけど」


ジャムおじさんは、気にすることはないよと、ぼくに笑った。


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