過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
1- 20
61:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:35:10.23 ID:Yu37ZZYbO

「二人って、カレーパンマンとしょくぱんまんのことですか?」

「うん……」


ぼくは別れ際の二人の姿を思い出していた。
あのあと、二人は落ち着いたみたいだったけど、元気が出るはずもなく、頼りなくパン工場へと帰ろうとしていた。
だから、ぼくは二人を引き留めた。


「二人ともちょっと待って」

「どうしたんですか?」


不思議そうな顔をする二人に、ぼくは顔をちぎってみせる。


「あ、アンパンマン?」

「二人ともこれを食べて?きっと元気が出るよ」

「で、でも、本当にいいのか?」

「うん」


戸惑う二人に、ぼくはあんパンを手渡した。
複雑そうに、二人は手の中のあんパンを見つめている。


「まさかこんな日が来るとは思ってもいなかったです」

「そりゃー、うまいだろうけどさ……。なんか変な感じだな」

「うん、ぼくもちょっとどうしようか迷った。
でも、二人には少しでも元気になって欲しいから」

「そうか……じゃあ、もらうぜ」

「……いただきます」


二人は恐る恐るといった感じで、あんパンを口に運んだ。
そして一口ほおばると、驚いたようにぼくを見た。


「おいしいですね……!こんなにおいしいとは思いませんでした!」

「なんだろうな、他のジャムおじさんのパンも食べたことあるけど、アンパンマンの顔がダントツでうまいぜ!」

「そうですね……なんだかほっとする味で……」


すると、しょくぱんまんの瞳から涙がこぼれ落ちた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
107Res/140.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice