過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
1- 20
63:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:37:50.56 ID:Yu37ZZYbO

そして、笑いと涙が収まって、二人は少しだけスッキリした顔になる。


「ありがとな、アンパンマン。ちょっと落ち着いたぜ」

「私も、どんな顔でパン工場に戻ろうか悩んでたので、助かりました」

「ううん、ぼくじゃなくてホラーマンのおかげだよ」

「え?ホラーマンがなにかしましたか?」

「ホラー!ひどいですねー!」


二人はまた笑って、それも落ち着くとぼくたちにたずねた。


「そんで、二人はこれからどうすんだよ。
まだばいきんまんを生き返らせる旅を続けるのか?」

「うん……天使さんたちも西へ向かうといいって教えてくれたから、向かってみようと思う」

「その背中の人も一緒ですか?」

「わたくしの名前はホラーマンです!
わたしだって当然行くんですね〜。なんせドキンちゃんの笑顔を取り戻すためですから!」

「ばいきんまんのためじゃないんですね……」

「ま、なんにせよ応援してるぜ!がんばれよ!」

「うん、ありがとう。カレーパンマン達も気をつけて帰ってね」

「おう!」

「では、また」


二人が飛び立っていくのを、ぼくたちは手を振って見送った。
その時のことをホラーマンも思い出していたようで、彼は心配いらないと言った。


「二人ならきっと、乗り越えて行くでしょうね。
あの二人の時間はちゃんと動いているんですから。
どんな辛いことも、時間をかければきっと乗り越えられるはずなんですね〜」

「……うん」


ぼくはホラーマンの言葉に頷いた。
けれど同時に、心に浮かび上がる思いもあった。
どんなことでも、必ず乗り越えられる日が来るのなら、ぼくはばいきんまんがいない日常も、乗り越えるべきなんじゃないだろうか。
生き返らせるなんて、大それたことは考えるべきじゃないんじゃないか……。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
107Res/140.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice