過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 16:57:09.49 ID:Yu37ZZYbO
「ホラー、大惨事ですねー」
耳を塞いでるのに声がはっきりと聞こえて、ぼくはビクッと肩を震わせた。
恐る恐る声の方を見上げると、なぜかスポットライトに照らされたホラーマンがいた。
彼はいつの間にかあった木の椅子に座って、器用に座ったままぼくの方へ向きを変える。
「一つ、おとぎ話をしてあげましょう。
とっても悲しい物語です」
ホラーマンは優しげに笑いながら、子供に話すように穏やかに話した。
「あるところに、パンの顔を持った少年がいました。
その少年は愛に溢れた少年で、一見この世界の理を破っているようには見えませんでした。
しかし、本当は少年の存在は大きな矛盾を抱えていたのです。
みんなに沢山の愛を与えることが出来るのに、愛の受け取り方をしらなかったのです。
それどころか、少年は自分が愛されていると思えたこともありませんでした」
ホラーマンはぼくの方を見て、優しく笑った。
「誰の話か分かりますね?アンパンマン」
「うん……ぼくの話だ」
もういまさら隠している必要もないので、ぼくはホラーマンに打ち明けてしまった。
なぜだろう、ホラーマンならちゃんと聞いてくれると思った。
「アンパンマンは愛されている自信がなくて、愛を与えることが愛されることに繋がると考えました。
けれど、与える愛が大きすぎたのです。
彼の中に順位はありません。
こどもも大人も仲間も花も空も虫も、ジャムおじさんでさえ、その枠に入れてしまうのでした」
「ぼくは……どうしても自信が持てなかったんだ。
小さい頃はそんなことはなかった。
けど……いつからか、ぼくは役に立たないと人に喜ばれない気がして、誰かを助けないと見てさえももらえない気がした。
なんでかぼくには分からないんだ……」
「それは、あなたが誰も信じていないからです。
そして一番信じていないのは、自分のことでしょう」
ぼくは頷いた。
けれど、ホラーマンは笑って水晶玉を指差した。
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