過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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8:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:20:06.10 ID:Yu37ZZYbO
ぼくはきっと、あの瞬間に正義の味方ではななくなったのだろう。
白み始めた空を見ながら、ぼくは思う。
正義の味方ではなくなったから、助けを呼ぶ声も聞こえないんだ。
これからもきっと、治る日はこない。
君が生き返ることがないのと、同じように。

あのとき、なぜ君はぼくをかばったんだろう。
ぼくは、あの瞬間を鮮明に思い出すことができた。

いつも通り、ばいきんまんがイタズラをして、ぼくが駆けつけて、アンパンチで彼を飛ばしたあとのこと。
お弁当が戻ってきて、子供達は笑いながらぼくにお礼を言った。
ぼくも笑って、別のところへパトロールへ向かった。
ここまでは特に変わったことはなく、ぼくは道をふさぐ大きな木を片付けたり、歩き疲れた人を送っていったり、忙しく飛び回っていた。

しかし、突然現れたメロンパンナちゃんが、焦った声でぼくを呼ぶ。


「アンパンマン、すぐにパン工場へ戻って!」

「なにがあったの?」

「ばいきんまんが大変なの!」


青ざめているメロンパンナちゃんと一緒に、ぼくは全速力でパン工場へ向かった。
ぐんぐんと近づいてくる工場の前の広場には、ドキンちゃんのUFOが停まっているのが見える。
ぼくは急いで扉の前に着地して、パン工場の中へと駆け込んだ。


「アンパンマン……!」


中には目を真っ赤に腫らして泣いているドキンちゃんがいた。
ぼくに助けを求めるような目は、いつもの強気な目とは対照的で、とんでもないことが起こってるんだと、改めて思った。


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