過去ログ - 友紀「キャッツを強化しよう!」琴歌「私にはキャッツの編成権はありませんので」
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1: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:06:17.00 ID:peVxySyk0
「筒香いいなー……うちも若手の砲台が必要なところなんだけど……」

「では、キャッツへ移籍させましょうか?」

「でもこれ以上スターの球団が弱まるとセリーグの均衡が崩れて広島が……」」


琴歌ちゃんは、にっこりと笑っていた



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2: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:06:56.04 ID:peVxySyk0
あたしが他球団の選手を羨ましがって

琴歌ちゃんが移籍を提案して

あたしがそれをはぐらかす
以下略



3: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:08:59.38 ID:peVxySyk0
琴歌ちゃんは、移籍がそんなに簡単なものじゃないということを知っている

選手契約には厳密な規則があり、駆け引きが有り、お金だけで解決するものではないと知っている

それでも言うんだ、あたしに
以下略



4: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:09:26.94 ID:peVxySyk0
「柳田いいなー、1番2番を打てる選手欲しいな」

「では、キャッツに移籍させましょうか?」



5: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:10:13.58 ID:peVxySyk0


きっかけは、あたしの迂闊な発言だった


以下略



6: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:10:44.10 ID:peVxySyk0
『琴歌ちゃん!キャッツを強化しよう!大型新人と海外の助っ人を……』

冗談のつもりだったけれど。あたしはそう言ってしまった

帰って来た返事は、抑揚がない事務的な声だった
以下略



7: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:12:50.96 ID:peVxySyk0
『姫川さん……申し訳ありません。私にはキャッツの編成権はありませんので……』

琴歌ちゃんは、まるで顔に仮面を貼り付けられたような、そんな表情をしていた

自信に満ち溢れ、常に真っ直ぐに前を向いていた、いつもの琴歌ちゃんとはまるで違っていて。その目に光は見えなかった
以下略



8: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:14:14.91 ID:peVxySyk0



『世間知らずな小娘と思われるかもしれませんが……その通りですわ』

以下略



9: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:17:28.17 ID:peVxySyk0
けれど、よくよく考えてみれば……《西園寺家の令嬢》としての琴歌ちゃんは、世間知らずでいられるはずがなかったのかも

近づいてくる人の真意を見極め、自身の内面を見せず、表面的な社交辞令をぺらぺらと操る

そういう風に、生きていた……と、いうのはあたしの想像だけれど
以下略



10: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:20:40.79 ID:peVxySyk0
アイドルの琴歌ちゃんは、そういうことを忘れて生きることが出来たと思う。だって、あたしたちを取り巻く人たちは。みんなみんな、優しいから

でも、あたしが言ってしまった。琴歌ちゃんの辛いところを抉ってしまったんだ……



11: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:22:10.12 ID:peVxySyk0


あたしは琴歌ちゃんに何と言葉をかければ良いのか迷っていた

謝るべきだった
以下略



12: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:23:09.16 ID:peVxySyk0


結局、うだうだと悩んでいる間に巡ってきた機会は、琴歌ちゃんが作ったものだった

ある時、テレビを見ていたあたしの呟きに対して、琴歌ちゃんはこう言った
以下略



13: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:24:21.01 ID:peVxySyk0
『……』

『大谷良いなぁ……分裂してキャッツに来てくれないかな……』

『……姫川さん』
以下略



14: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:26:18.11 ID:peVxySyk0
『私が……もし、大谷選手をキャッツに移籍させることが出来たとしたら』

琴歌ちゃんがその質問に裏の意味を込めていることは流石にあたしでもわかった

『姫川さんは……それを望むでしょうか?』
以下略



15: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:28:49.93 ID:peVxySyk0


……答えなくちゃいけなかった、本気で




16: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:29:55.56 ID:peVxySyk0
『……ううん。そんなことをされても、あたしは嬉しくない』

『……本当、ですか』

『うん……』
以下略



17: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:31:10.61 ID:peVxySyk0
『琴歌ちゃん』『姫川さん』

『……』

声が重なった
以下略



18: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:36:07.37 ID:peVxySyk0
『あたしから言うべきだったのに。…….ちょっと、遅れちゃったけど』

『……』

『ごめん、琴歌ちゃん。あんなこと言っちゃって』
以下略



19: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:39:09.02 ID:peVxySyk0
考え無しのあたしの言葉は、軽いし、時に人の心を傷つけることもあった

だから言葉を選ぶことはしなかった。ただ、あたしの心が琴歌ちゃんに伝わるように、言うだけだった



20: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:43:55.20 ID:peVxySyk0
何十秒か経って、ずっと見開いていた目が乾いて痛み始めた頃

『ふぅ……』

琴歌ちゃんはホッ、と一息をついて
以下略



21: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/23(火) 19:57:22.48 ID:peVxySyk0



それからというものの、琴歌ちゃんはあのやりとりを気に入ったようで

以下略



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