15: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/08/23(火) 23:35:13.18 ID:zjxhfud6O
「ふぅ、疲れました…」
「お疲れ様、文香。トレーナーさんからも言われてると思うけど、ストレッチは忘れるなよ」
ダンスレッスンは普段よりハードだった。
夢の中の私は、こんなものを乗り越えたのか。
おかげで、その後に起きる事を一旦忘れる事が出来たのだけれど。
そうでなければ緊張で吐きそうになっていただろう。
さて、一番分かりやすいタイミングのズラし方。
それは別れ際に少し会話する事。
それなら、そこまで前回と同じルートを辿ればいける。
変に途中に挟むと、結果的に時刻が同じになる可能性も否めないのだ。
夢と同じ様に、私は仕事を終えたプロデューサーさんの車に乗り込む。
一度は楽しんだ筈の、幸せな会話。
けれど、私の心は既に消耗し始めていた。
…大丈夫…降りる時に、少しお話しするだけで…
「じゃ、また明日」
「…あの、プロデューサーさん…」
その時になって、言葉が出てこなくなった。
特に何か言おうと決めずに喋る事の難しさを実感する。
けれど、もうそれだけで大丈夫な筈。
数秒のズレで、あの交通事故は起こらずに済むのだから。
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