21: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/08/23(火) 23:40:11.18 ID:zjxhfud6O
分かりきった、認めたくなかった結論。
それを叩きつけられると言うのは想像以上に辛い事だった。
特にそれが、私の大切な人に関する事だったから。
失いたくないモノを必ず失う筋書きは、到底受けれられるモノではない。
あれから何度予知夢を見たか、最早覚えていない。
何とかして一緒に歩いて帰る事に成功すれば、過激なファンに刺され。
怒られる事を覚悟で車の鍵を隠せば、駐車場で鍵を探している時に事故に遭い。
事務所で寝泊まりして貰おうとパソコンのデータを勝手に消しても、一瞬で再び仕上げられてしまい。
挙げ句の果てにはガス漏れなどと言うどうしようもない事故にすら見舞われた。
勿論、何もしなければ一番最初と同じ様に交通事故に見舞われる。
けれど、何をしても…
茄子さんや芳乃さんは運悪く遠くに収録に行っていて不在。
八方ふさがりの袋小路に迷い込み、私の心はどんどん磨り減っていた。
何度も何度も、プロデューサーさんの死を目撃し続けているのだから。
そして、その死を見届けると同時に私の夢は冷める。
おそらくこれは、プロデューサーさんを助け切るまで続く夢なのだろう。
今までは一度で乗り越えられたから気がつかなかったけれど、もしかしたら最初からそういうものだったのかもしれない。
だとしたらなんて残酷な話なのだろか。
そして、私は相当疲れきっていたのだろう。
とある一つの、解へと辿り着いた。
おそらくそれなら、もうこの連鎖から逃れられる。
後は実行する勇気だけ。
ふぅ…
一つ、息を吐く。
今のうちに、涙は流し切ろう。
そうでなければ。
最後の最期で、プロデューサーさんに。
笑顔を見せる事は、出来ないから。
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