7: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/08/23(火) 23:29:44.81 ID:zjxhfud6O
「あの、すみません」
そうだ、偶には恋愛小説もいいかもしれない。
長らく読んでいなかったし。
ホラーは…辞めておく。
大体オチが読めるから。
「すみませーん」
「えっ?!」
気付けば、お店には一人の男性が入って来ていた。
完全に自分の世界に入っていたため、全く気付けずにいて。
驚いて、私は本を落としてしまった。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ…ええと…失礼、しました」
拾って貰った本を受け取り、ふと私は気付く。
その男性とは、どこかで会った事のある様な気がした。
それも、つい最近。
…もしかして…
「私、こういう者でして…」
差し出された名刺には、とある大手プロダクション名。
アイドル部門、シンデレラプロジェクト担当の文字。
そして、男性の名前。
私は、次に彼の口から出る言葉を予想出来た。
だって、それは。
一度、経験した事なのだから。
「アイドル、どうですか?」
答え合わせは終わった。
だからこそ、こんなアバウトな質問にも対応出来る。
言うべきことも、既に決まっている。
「…詳しいお話を、伺っても…よろしいでしょうか?」
雨は、既にやんでいた。
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