過去ログ - ルナ「ルナのお友達になってくれる?」八幡「や、その友達とか良くわからないんで」
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62:名無しNIPPER[saga]
2016/09/07(水) 21:55:32.31 ID:wORFMiB30
八幡「うろの内部って意外と広いんだな……」

あの害獣といい、この世界ではこのサイズがデフォなのだろうか

うろの入り口を潜り抜けると、人二人が大の字になれるくらいのスペースがあった。

その中央には、ついさっきまで兎に取り付けていたカンテラが置いてあった。

ラビ「この森に長居はできないから、今夜はこれで十分よね」

ラビットさんは、俺と反対側に座り背中を壁に預けた。

「あんたも座りなさいよ。楽になれるわ」

ラビットさんの視線は、俺の左足に注がれていた。

森に入ってから、ハンカチを巻くだけの応急処置はしたので、出血は止まりつつある。

できれば消毒もするべきなのだろうが、この状況では望むべくもない。

俺は、左脚に体重をかけないように慎重に座り込んだ。

顔を上げると、ラビットさんと目があった。

見ていると、吸い込まれそうほど深い藍色の瞳。

ここにきて俺は、ラビットさんが自分とは違う人種なのだと気づいた。

彼女は、どでかい兎を操り、それを爆発させた。

元の世界からみれば、化物に該当する。

だけど、思惑はどうあれ自分を助けてくれた。

もし、彼女がいなければ、死んでいただろう。

彼女になんて、話しかけたらいい。

今まで何を考えて、この人と話していた。

答えは出ている。何も考えていなかった。

彼女との関係なんて、どうでもよかった。

とっととこの世界から消える予定だったから。

でも、今は違う。

この人に助けられてしまった。

この人に感謝をしている。

それは照れくさくて、どこか懐かしい感情であり、弱い自分の象徴だった。

今だけは、これに縋ろう。

八幡「ラビットさん、ありがとう」

ラビ「どういたしまして」

これが自分の見せる最後の弱みだ。

もう二度と、こんな失態はおかすまい。


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