過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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43: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/09/10(土) 20:02:44.12 ID:u8X6z1g50
〇三〇〇。

最悪だ。

予期せぬ事態が起こってしまった。

どう対応すれば一番いいのか全くわからない。

焦りが扶桑の心のなかに巣食いはじめている。

他の艦隊は無事だろうか。もしこちらと同じ事が起きていたとしたら・・・。

いいや、考えている場合じゃない。何にしてもとりあえず行かなければならない。

だが、だが行ってどうする。焦りから更に恐怖が上乗せされる。

もしこのまま間に合わなかったら。南鳥島の皆はどうなるだろう。提督はどう思うだろう。

恐らく提督だけは怒らず、その責を自分に留め、心の内でその罪にうちひしがれるに違いない。

こうすれば、ああすればと後悔に苛まれる日々を送ることになる。

だめだ、それは何よりもあってはいけない未来だ。

不謹慎極まりないが、南鳥島の犠牲よりも提督にそんな思いをさせてしまうという事の方が何よりも怖かった。

扶桑の心情を反映するように、必死になって水上打撃部隊は夜の海上を最大戦速で航行する。

その周囲に護衛艦の影はない。

一見すれば順調にいっていると思えるかもしれないが、本来なら護衛艦はあと九時間は水上打撃部隊の輸送任務に従事するはずだったと言えば事の重大さが見てとれる。

三十分前。護衛艦は、艦配属員諸とも壮絶な大爆沈を遂げた。

一瞬の出来事だった。

生き延びたのは舞鶴の水上打撃部隊のみ。

生き延びたといっても、戦艦は全艦小破だ。

空母は幸い小破に留まったが、最大速力が22kn限界にまで落ち込む憂き目に遭っている。

その場にいたほとんどの者が何が起こったのか理解できていない。それほどまでに突然の出来事だった。

何が起こったか確実にわかっていたのは爆発前になにかを必死に訴えようとした護衛艦乗組員の水測員だけ。

同じ被害を受けた艦娘は、周囲を飛んでいた直掩戦闘機の『爆発は確実に水中からであった』という報告で朧気ながら実態がわかっている程度だ。

扶桑「・・・」


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