過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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9: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:41:53.70 ID:J1uwhgey0
大和「私が来るとは思いませんでしたか?」

提督「来てもおかしくはないと思ってはいたが、俺はお前の参加を許した伊藤元帥の真意を問い質したいところだ」

大和「一度は裏切った仲ですもんね」

提督「その話を軽々しく持ち出してくる辺り、不信感は募る一方だなんだが・・・」

大和「なら、私を艦隊の一番後ろに置いてくれてもいいですよ。殿として信頼されるような活躍をします」

提督「そこで俺がおおそりゃすごい!とかいって許すとでも思ってる辺り深海棲艦と似たような頭空っぽ野郎だ。殿なんて任せるわけないだろう。お前は一番前で頑張ってくれ」

大和「一番前ですか?」

提督「いや・・・、やめておこう。普通に武蔵の隣でいいな。そこが一番安心できる」

大和「結構用心深いんですね」

提督「そりゃそうだろ」

大和「その前に、そんなに私の場所コロコロ変えてもいいんですか?」

提督「戦艦組は艦隊の一番前で傘状に艦隊を覆ってもらう形でいくから編成もそこまで難しくはないからな」

大和「そうなんですか」

提督「変な気を起こさないでくれよ。作戦が中止になるような事は特に」

大和「しませんよ。武蔵も長門も陸奥もいるんですから」

提督「それならいいんだ。あと数時間したら出る、準備しとけよ」

提督はそうとだけ言って、背を向けてその場から立ち去っていく。

彼は大和に対して敵意を隠そうともしない。

今の会話でも、落ち着いて話してるように見えて目は味方を見るそれではなかった。

その彼の背中を見る大和の顔には、らしくもなく似合いもしない後悔の情が垣間見えた。

「質問の意図を測りかねます」

大和の本質が露見したときの、提督を怒らせた自身の発言。

自分の素性がばれたと知って、取り繕う時間を作ろうと言ってしまった言葉。

その後に続く問答で提督は言った。

「戦争を早く終わらせてやろうとは思わなかったんだな。味方なのに。どの口が言うんだ、そのくそきたねぇ味方面した横須賀鎮守府の秘書が言ってんのか?」

この発言の後に口をついて出た言葉。あれは本心だった。

「心から日本軍に味方したいと願って、戦争を長引かせたのか?」

心から日本軍に味方したいと思っていたけれど、戦争が終わった後の自分の居場所がなくなってしまうのが怖くて、戦争を長引かせた。そうやって自己を正当化していた。

でもいくら言っても信じてもらえないのだと悟るには、十年の間にあった自らの行動・結果・発言が信頼という二文字の前に高すぎる壁となるのだと悟るには、その言葉は決定的だった。


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