24:名無しNIPPER[saga]
2016/09/03(土) 01:24:22.75 ID:Z6ZHfkFVo
【13歳 / 秋】
蘭子の小さなガラスのハートは、歩き出して五分で早鐘を打ち鳴らしていた。
「……」
行き交う人から時たまちらりと視線を向けられる度、蘭子の肩が小さく跳ねる。
その跳ね具合が徐々に収まってゆくにつれ、鼓動も段々と落ち着いてきていた。
感触を確かめるように、舗装された道路をヒールでコツコツと叩く。
「ほへぇー……」
丸の内の超高層ビル群にも圧倒されたが、ここ竹下通りも圧巻だった。
普段は中々着て歩く機会の無いゴシックスタイル。
憧れだった衣装に身を包み、蘭子のご機嫌は徐々に高まっていった。
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