322:名無しNIPPER[saga]
2016/12/23(金) 23:32:03.48 ID:MZTRIGcDo
『夕陽が沈む頃、あの路地裏で』
簡素な文面だった。
今年も白くなりつつある吐息を零し、蘭子は夕暮れの街を歩く。
そして辿り着く、いつかの日に二人で歩いた秘密の路地。
冷たい壁に背を預けていた特徴的なシルエットが、ゆっくりとこちらを向いた。
「やぁ、蘭子。わざわざ呼び立ててすまないね」
「フフ……我が友の喚び声に応えぬ故など無いわ」
(ううん、気にしないで)
「少し、話がしたかっただけでね。我ながら難儀な性格さ」
「暗幕を下ろせ、と?」
(ヒミツの話?)
「いや、そういう訳でもない。そうだな、単刀直入にいこうか」
「時に友よ。その傷は……」
(というか、もう片方のウィッグ……どうしたの?)
「ああ。それも含めて、だ」
ジャケットのボタンは胸元の分が飛び、襟足のウィッグは片翼になっていた。
ポケットに両手を差し入れたまま、飛鳥が笑う。
「ダークイルミネイトを解散したい」
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