36:名無しNIPPER[saga]
2016/09/03(土) 18:54:50.14 ID:Z6ZHfkFVo
蘭子は日傘をほっぽり出してその場へしゃがみ込んだ。
両手で頭を抱え、身体は小さく震えるばかりだった。
「…………っ」
ああ。
パパ、ママ、おばあちゃん、ごめんなさい。
私が間違ってたよ。東京は、こわい所だったよぅ……。
「…………？」
何かが変だ。
銃声もしなければ、撃鉄を起こす音も聞こえない。
小刻みに震えたまま、そっと、そうっと顔を上げる。
「……あの、すみません」
男の両腕は蘭子に向けて真っ直ぐ伸ばされ。
その先には、小さく四角い――
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