47:名無しNIPPER[saga]
2016/09/09(金) 23:13:17.19 ID:8UxCeRD6o
男は顎を撫で回してしばらく黙った。
無言の間が、店内の賑わいを際立たせて二人の耳へ届ける。
「……いえ。残念ながら持っていないと思います」
「……」
「ですが」
よく見ればうっすらと痣の残っている顔で、男は笑顔を浮かべた。
「変なコなんかじゃありませんよ。アイドルにだってなれる、可愛らしい女の子だと思います」
口をぱくぱくとさせるだけの蘭子に、男が困ったように首を捻る。
「神崎さん?」
「……な」
「な?」
「何で分かるのっ!?」
家族と同級生以外の、初めて『言葉』の通じた人だった。
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