20: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/29(月) 06:40:04.98 ID:ODEI0euO0
男「本当か?」
女「もちろん!」
男「お前はなんでそんなにも俺に手を差し伸べようとするんだ。何か理由があるとしか思えないけど」
女「すごく勘ぐるね、男君は。そーだねー、理由かぁ。秘密ってことで!」
女は笑みを含んだまま手を差し出した。おいで、とでも言っているかのように。
男は手を伸ばそうとしたが、その手をすぐに引っ込めた。
男「……」
女は不思議そうな顔をしている。ただ一日を共に過ごしたいだけ、という言葉に魅力を感じてしまった自分に、すぐに嫌悪感を覚えた。過去のことがありながら、人に求められることに心地よい感情を抱いてしまったからだ。
男「俺は、俺は……」
口ごもっている隙に、男は手を引かれていた。考える余地もなく、走り出していた。眩く光る白昼に、一夏の思い出が始まった。
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