22: ◆s2tmI36vx6[sage saga]
2016/08/30(火) 01:44:19.58 ID:uhAtUbKGo
〜知波単学園
典子「これが知波単学園ですか!当たり前ですけど日本の町並みとさほど変わりませんね」
絹代「区画整理が繰り返し行われていて、あまり昔の建物と言うのは残っていませんけどね。さすがに甲板を増設するわけにはいきませんから」
忍「けど、校舎自体はけっこう歴史のありそうな建物ですね」
絹代「そうですか?昭和の20年ごろでしょうからまだまだ新しい部類ですよ」
あけび「いや、それは十分古いんじゃあ…?これなんて武家屋敷みたい」
絹代「ああ、実習棟ですよ。華道や茶道、舞踊などの授業を行うんです。野点の用意をしてありますから、このまま中庭へ参りましょう」
妙子「の、のだて?それって茶道の…大丈夫かな…?」
絹代「大丈夫ですよ、あくまで授業の一環ですから。それに野点はもともと細かい作法を気にせず、気楽に楽しんでいただくものなんです」
細見「ようこそおいで下さいました。磯部様、河西様、佐々木様、近藤様…不肖ながらわたくしがお茶を点てさせていただきます。さぁ、どうぞこちらへ」
典子「え、ええと…すみません、どちらさまでしょう?」
絹代「ああ、細見ですよ。馬子にも衣裳と言うやつでしょうかね?」
細見「あらあら、これは失礼を…お久しぶりです、細見でございます」
忍「きれい…!戦車に乗ってる時と全然違う人みたい…」
細見「…ありがとうございます。ふふ、皆さまそう硬くおなりにならないで、どうぞお菓子をお召し上がりください」
絹代「今日の主菓子は…ははっ、家鴨か!さあどうぞ…?どうしましたか?私の顔になにか?」
妙子「すごくかわいくてなんだか食べるのがもったいないなあと…」
あけび「と言うか、どうやって食べればいいんでしょう…?」
絹代「そうですか、それは作った者が喜ぶでしょう!ううむ、さすがにお客様より先にいただくのは抵抗がありますが…こう、半分ほどに切っていただくと食べやすいですよ。うん、いい出来だな」
典子「はえー…動作がきれいで正確だ…!では…うん、ちょうどいい甘さでおいしいです!こういうちゃんとした和菓子ってあまり食べたことがありませんでしたけど」
忍「おいしいです!けど、どうしてお菓子だけを先に食べるんですか?」
絹代「それはあくまでお茶を主役として扱っているからです。ご存知の通り茶道で供される抹茶と言うものはそのまま飲むと苦いですし、お腹が空いていると胃への刺激が強いものでもあるんです。菓子はその抹茶をより美味しく味わうためのものなんですよ」
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