過去ログ - 【安価・コンマ】貴方が幻想郷で暮らすんだ!其の伍!【東方】
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935:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:26:45.34 ID:91yn0oDi0
いったいどれだけ、時間が経ってしまったのだろう。いや、時間が戻っているから、経ったわけじゃないのか?

 いや……今更だが、なんで僕は時間が戻ったことを信じている? 冷静になれ、あるわけない。何が主人公になれない、だ。マンガの読み過ぎ、ドラマの見過ぎだ。
けれど。家に帰る中、道行く人に質問した。コンビニで新聞を確認した。アパートに帰ったら隣の部屋の人にも聞いた。そしてまた、PCを見ている。

以下略



936:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:27:20.38 ID:91yn0oDi0
恐らく、幸之助に対して怒りが頂点に達したせいで、何もしていない今はやたら冷静になっているんだ。だが、なればなる程認めたくない物が本当だって思えて仕方ない。……やはりまた、溜息が漏れた。

 何か。何か、どうにかする方法はないのか。せめて、このやたらと見たタイムリープ物の作品の中に、ヒントはないのだろうか。僕の……僕の雛子を取り戻すための方法が! 

 よし、よし……頭が周ってきた……まずは……。
以下略



937:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:28:08.78 ID:91yn0oDi0
次。なぜ僕には前の……いや、正しい時間の記憶があるのか、ということ。
雛子や会社に連絡したり会ったりして、僕のことを知らないことは分かっている。というより、納得するしかない。少なくとも僕が確認した範囲では、僕以外の人は、正しい時間の記憶はないということだ。

「……念のため、もっと確認するか」

以下略



938:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:28:50.49 ID:91yn0oDi0
 僕や後輩の行動は変わっていないのに、雛子の行動が違っているからである。何より、最初は僕を狙ったと思った時間改変だったが、どうもこれは違う。

「狙いは、雛子……!」

 大学時代、雛子に気がある人間がいて、そいつがタイムリープして過去の雛子を誑かしたとしたら……。
以下略



939:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:29:36.88 ID:91yn0oDi0
また来てしまった、雛子の家。

あの時2人は出かけて行ったから、まだ戻っていないはずだ。この家は、僕が本当は住むはずだったのだから構造は知っているし、鍵が隠してある場所も知っていた。ベタに植木鉢の下である。

今僕に出来ることは、ひとつの可能性に賭けること!
以下略



940:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:30:25.20 ID:91yn0oDi0
タイムリープなんてものを仕出かした犯人は、胸を抑え、膝から崩れて、頭を地にこすりつけている。犯人の胸に刺さった包丁を引き抜くと、僕も床も、幸之助自身も、この世界には赤色しかないのではと思える程に染めていった。

「これでいい……これでいいはずなんだ!」

 今流れている時間は偽りだが、僕以外はそうだと思っていない。けど、それに気付き、正しい時間を知っている僕がいる。いや、恐らく僕以外にもいる。いて欲しい。
以下略



941:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:30:53.07 ID:91yn0oDi0
 タイムリープ犯が消えれば、全て元に戻る。なぜ僕は、こんな考えを持ち、それが正しいと思ってしまったのだろう? 殺人など、明らかな犯罪であり、人が取る行動のうち最も醜態なそれ。

 けれどどうしても、それをしないといけないと、僕は思っていたのだ。

「ん……?」
以下略



942:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:32:01.71 ID:91yn0oDi0
多さん……」

 僕を呼ぶ声が聞こえる……雛子か……? 正しい時間に戻ってこられたのか……?

「雛子!」
以下略



943:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:32:38.48 ID:91yn0oDi0
ていた。あの浮翌遊感は、タイムリープが戻るものではなかったということか。

恐らく僕は、一杯一杯だったのだ。
突如自分の時間を失った。犯人を[ピーーー]というミッションを成し遂げたが、果たしてそれが正しいかどうか分からなくなった。これまで経験をしたことがないような、いや想像すらしないような事象ばかりが起こり、混乱するなという方が無理な話で。

以下略



944:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:33:22.59 ID:91yn0oDi0
 @は、あの血の海で生きていられる者などいるとは思えないので、ない。

 Aは、どうしても僕の中の何かが『それはありえない』と否定してくる。やはり殺しなどという行動はあまりに愚かで無意味な行為である、という結論に達することが出来ないのだ。
 しかも、僕が仕出かしたことを防衛本能から正当化しようとしているのではないようで。こればかりは僕も、1人議論の中さらに疑問を膨らませるだけで、『[ピーーー]ことに意味はある』として進めるしかない。

以下略



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