過去ログ - 【安価・コンマ】貴方が幻想郷で暮らすんだ!其の伍!【東方】
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957:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:44:21.47 ID:91yn0oDi0
5日。僕が幸之助を殺さなかったことで、神大はひとまず満足するはず……その隙をつく……!

「ピッキングは……無理か」

 最も実行したかったのは、神大の家の中で待ち構えて、奴が戻った瞬間刺し[ピーーー]こと。
 だけど、どうやら僕に鍵師の才能はないようだ。いっそ扉や鍵を壊したいが、それでは神大に、中に不審者がいると伝えるようなもので。

「それなら、あの路地かな」

 前の時間軸では、僕は神大を尾けてこの家を特定している。その経験から今回、奴がどのルートを通って雛子の家から戻ってくるか予想出来た。
そのルート上にある、ただでさえ薄暗い夕闇なのに、街灯が当たらず一際闇が深い小さな路地。あの場所に隠れて神大を待とう。


「……!」

 下手をすれば、日付が変わるまで神大は戻ってこないかと思い、牛乳にあんぱんの刑事スタイルを取ろうと考えていた時。

街灯に照らされた、やたら明るい茶髪を見た。間違いない、奴だ。今は20時半……この時間、覚えておかねば。

 深呼吸、3回。1回目は吸って吐いてが短すぎたが、あとの2回はちゃんと出来た。

あとは、奴がこの路地を通り過ぎた瞬間、背後から襲えばいい。やああああ! なんて掛け声が出てしまいそうだが、そんな奇襲の意味を全て無に帰すようなことは絶対にしない。ただ静かに、あの犯人をナイフで貫けばいいのだ。

「!!」

 だが。

先程まで進行方向を向いていたはずの神大の目が、完全に僕を捕えて目が合ってしまった。殺気を感じ取った、とでもいうのか?

しかしそれでも、この行動を止める理由にはならない。僕は足に強く力をこめると、刃を構えて路地から飛び出した。

 迫る神大。刃は間もなく、奴の心臓を貫かん。
 そうして僕の耳に届いたのは、神大の断末魔ではなかった。それは、またしても破裂音であった。


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