11: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/08/30(火) 12:05:33.90 ID:j6uGZNPFO
  
  
  
 「だからねー」 
  
  
 目の前の天使は、笑って続ける。 
  
  
 「いつかピッタリ合う様になったら、また一緒にショッピングしたいなー」 
  
  
 …生まれつきの小悪魔は天使に見えるとは、よく言ったものだ。 
 俺でなければ、ただの天使と勘違いしてしまっていただろう。 
 コーヒーカップを片手に窓の外を眺め誤魔化す。 
 そうでなければ、きりっとはしていない顔を見られてしまうから。 
  
  
 けれど。 
 窓ガラスに映って見えたのは、俺と同じく外を見ようとするフレデリカだった。 
 その頬は、ホットコーヒーのせいかもしれないけれど少し染まっていて。 
  
  
 …なんだ。 
 案外、俺たちは似ているのかもしれない。 
  
  
 「次は、俺のお気に入りのカフェに案内するよ」 
  
  
 「わぁお、楽しみだねー」 
  
  
 無論、そんなものはない。 
 けれど、それはこれから探せば良いのだ。 
 フレデリカと一緒に居て居心地のいい場所を、なんなら一緒に。 
 次にもまた、増やしていけばいい。 
  
  
 楽しい時間はあっという間だ。 
 店に入ってからまだ全然経っていないと思っていたが、外を見れば陽が落ち始めている。 
 けれど。 
 ならば、回数を増やせばいい。 
  
  
 これからまた何度も。 
 こんな風に居心地の良い休日を。 
 一緒に、楽しめばいい。 
  
  
 アイスコーヒーの氷は、既に溶け始めていた 
  
  
  
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