4: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/08/30(火) 12:00:17.44 ID:j6uGZNPFO
「…何処にいるんだ?フレデリカ。10分遅れるんじゃなかったのか?」
「そんな事言ってなーい。プロデューサーが来るの遅かったからキャラメルフラペチーノ飲んでるよー」
それは申し訳ない事をしてしまった。
けれどならば一報くれてもいいじゃないかと言おうとして、ラインに数件通知が来ている事に気付く。
よかった、あれでいて怒っているかもしれない。
日に脂を避け、近くのカフェを片っ端から探そうとする。
と、その寸前で。
視界が突然、闇に飲まれた。
眼前暗黒感(立ち眩み)ではない。
「動くなー、両手両足を上げろ!」
「水中じゃないと不可能だろ。せめて一本だけ下にさせてくれ」
それ以前に此処は交番前なのだ。
そんな事をやったらすぐさま俺の両手首に冷たいモノが添えられる事だろう。
あと動けないのにどうしろと言うのだ。
と言うか騒ぎになってフレデリカが周りの人に気付かれる方が不味い。
「…お前の為だ。此処は動かないでいてやろうわっ!」
突然目の前の帽子を外され、一気に太陽の光を浴びた両眼は逆に機能を失う。
もしかしたら太陽の元に出た吸血鬼もこんな気持ちだったのかもしれない。
けれど、天はその苦しみに耐えた褒美なのか幸せを与えてくれた。
「ふふーん、遅れたバツだよー。さ、早く遊ぼっ」
目の前に天使がいた。
全く機能していない変装用のメガネを掛け、既に片手に紙袋を抱えた金髪の天使。
あれだ、どうしようもない僕にどうしようもない天使が降りて来た。
満面の笑みを浮かべるフレデリカが伸ばした手を、一瞬逡巡するも握り。
久々の休日をさらに疲れで満たそうとした。
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