5: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:36:05.86 ID:PXsZTd9H0
主にデパートや遊園地でのきぐるみショーでの仕事で、急ぎ募集したようだった。
明らかに他の同じ仕事より日給がいいところ見るに、かなり急いでいるように思う。
6: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:37:29.98 ID:PXsZTd9H0
「よく来てくれた、本当に助かったよ!!」
出迎えてくれたスタッフが、さあさあこちらへ、と私を呼ぶ。
7: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:38:41.59 ID:PXsZTd9H0
それが、私とボコの出会いだった。
8: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:39:35.04 ID:PXsZTd9H0
『ボコられグマのボコ』
包帯と絆創膏で体を覆う、キュートさが失われているように思える茶色のクマ、それがボコだ。
9: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:40:59.27 ID:PXsZTd9H0
「ボコだー!」
「ボコー!」
10: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:41:44.39 ID:PXsZTd9H0
「おうおう、てめえ邪魔だコラ、道あけろ」
舞台袖から現れたのは、ほかのキャラクター。
11: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:43:12.27 ID:PXsZTd9H0
「ぐえっ!!」
しかし俺はそのままねこの拳をうけ、地面に倒れた。
12: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:44:00.36 ID:PXsZTd9H0
「ボコー!がんばれボコー!!」
「ボコーガンバレー!」
13: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:49:40.26 ID:PXsZTd9H0
観客の家族連れの一組、姉妹らしい娘と凛とした母親が俺を見ていた。
姉妹の片割れはとても熱心にボコを応援しており、俺が登場してからずっと「ボコ」と叫んでいた。
14: ◆k.HMJKcYzc[saga]
2016/09/01(木) 13:50:28.22 ID:PXsZTd9H0
不意にその母親が俺を見た気がした。
冷たく凍るような視線が、ひどく恐ろしく心臓を突き刺すようだった。
71Res/34.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。