過去ログ - ダイヤ「あ、この写真…。」
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38:名無しNIPPER[saga]
2016/09/01(木) 20:02:05.48 ID:zsoczlY00
ダイヤ「あら、皆さんは帰りましたの?」

部室に戻ってみても、千歌たちの姿はなかった。荷物もないところを見るに、帰ったのだろう。

果南「ダイヤが気持ちよさそうに寝てたからね。みんな小声で挨拶だけして帰って行ったよ。できた後輩だよね。」

鞠莉「そうそう、善子ったら写真まで撮って――」

果南「ちょ、鞠莉!」

鞠莉「あ。」

果南がパシッと鞠莉の手で口を塞ぐ。

ダイヤ「写真?…って、もしかして寝顔の写真!?すぐ消しなさい、ほら今すぐに!!」

鞠莉「ほ、ほら、撮ったのは堕天使ヨハネちゃんだけ、ね?」

果南(この先輩は…。)

ダイヤ「それを見てあなたたちが何もしないはずがありませんわ!!
    ほら、携帯をお出しに――ってなんで待ち受け!?隠す気ありますの!?」

果南「うんうん、それだけ叫べるなら大丈夫だね。」

なぜか神妙な顔で頷く果南を一睨みする。

鞠莉「あ、ダイヤは今日この後うちに連行するね!ルビィには伝えてあるから!」

ダイヤ「えっ。」

自分が寝ている間にいろいろと話が進みすぎている。文句の一つでも言ってやろうかと思ったが、鞠莉の家。
3人で集まるのも久しぶりだ。正直、楽しみだった。

お守り代わりにと持ってきた写真の効果だろうか。なんて、バカバカしいことを考えてしまう。

ダイヤ「……。」

そうだ、写真。

写真に思いを馳せた途端、膨らみかけた気分が萎んでいくのがわかった。

3人で集まって、何を話すのだろうか。

きっと、これからのAqoursの話に違いない。後から加入したとはいえ、自分たちは最高学年だ。
チームの未来について後輩に任せっきりにはできない。9人でどう輝くか、きっとそんな話題が出るんだろう。

自分は、それに何と答えるのだろうか。鞄にあんな写真を忍ばせた自分は、毎晩あんな夢を見続ける自分は、
2人と未来の輝きについて語れるのだろうか。


ダイヤ「あ、あの!」

果南「ん、どうしたのダイヤ?」

ダイヤ「…いえ、何でもありませんわ。」

にこっと振り向く果南の顔を見て何も言えなくなる。
大丈夫、今の自分だって嫌いなわけじゃない。

せっかくこの2人が和解して、前を向いて走り出した。ならば自分も、一緒に――。

写真は、帰ったら大切にしまっておこう。蓋つきの箱に入れて、そっと。
少しだけ湿った自分の鞄を見つけ、中を見た。


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