過去ログ - ダイヤ「あ、この写真…。」
1- 20
43:名無しNIPPER[saga]
2016/09/01(木) 20:18:08.16 ID:zsoczlY00

―――

隣で果南が泣いている。自分も泣きたい気分だった。ぐっと唇を噛んで涙を抑える。

数か月前、この浦の星に戻ってきたとき、はじめに感じたのはどんな気持ちだっただろうか。
仏頂面で書類と睨めっこして、一人で黙々と作業するダイヤを見て、どんな気持ちだっただろうか。

感じたのは、かすかな違和感。それもダイヤに久しぶりに会えた嬉しさで、どこかへ飛んで行ってしまった。

2年もあれば人は変わるものだと、2年前の喧嘩を引きずっていた自分を棚に上げて思ったものだ。
人はそんなに簡単に根っこから変わってしまえるものではない。そんなこと、自分が一番よく分かっていたはずなのに。

鞠莉(ダイヤの中では、まだ終わってないんだね。)

自分は、ケリがついたと思っていた。果南と向き合って、和解して。果南と同じステージに立って。
ダイヤも一緒に歌ってくれて。それで再出発ができたと、本気でそう思っていた。

それでも、きっと。ダイヤのライブは、まだ終わっていないんだ。

あの日、あのステージに立つ3人のためだけに作った衣装で、あの日、あのステージに立つ3人のためだけに作った歌詞と曲で。
どうやったら3人が輝けるか。そんな小恥ずかしいことを大真面目に議論して作った、あの日々が詰まったライブでなければ、終われないんだ。

そうだ。だって、あの日々にダイヤが見せたような満面の笑みを、私たちはまだ1回も見ていない。

鞠莉「一番のテイタラークは私だったね…。」

ちょっとおどけて呟いてみるけれど、全然、笑えない。ダイヤの手を引く自分の手が、ひどく痛かった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
64Res/62.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice