44:名無しNIPPER[saga]
2016/09/01(木) 20:20:38.47 ID:zsoczlY00
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ダイヤ「笑ってくださって構いませんわ。」
鞠莉の部屋で、たっぷり一時間無言が続いた後に、ぽつりと呟いた。
本心から、そう思った。自分でも、自分の気持ちがわからずに。やっとわかったと思ったら、なんと滑稽な。
鞠莉「そんなことしない!!」
珍しく鞠莉が大声を上げる。ふるふると震えながらこちらを睨んでいる。
ダイヤ「皆さんは前を向いているのに、わたくしだけ過去に捕らわれて…。挙句の果てにAqoursを取らないでなどと、
自分で名前を受け継がせたくせに。」
そう、すべては自分が招いたこと。果南の行動に同意したのも、鞠莉を諫め続けたのも、すべて自分の判断だった。
千歌と曜と梨子がいる砂浜に、Aqoursの文字を書き足したのも自分。みずからAqoursを「上書き保存」したのだった。
無事に名前を受け継いでもらって安心したはずだった。千歌がその名を口にしたとき、目頭が熱くなるほど嬉しかったはずだった。それなのに。
何を今さら、被害者面を。また輝ける場がもらえただけで十分ではないか。
自分の中の理性的な部分がそう囁く。言葉には自然と棘が入ってしまっていた。
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