過去ログ - 19世紀末少年「鳥のように、空を」
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22: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/09/06(火) 20:57:59.04 ID:SIS0vfg30




少年がイーストエンドへ無事にたどり着き、数日の時が流れた頃。少年はこの日も強い空腹感に苛まれながら、ウォータールー橋の欄干外側に立っていた。


「あの小僧……性懲りも無く来たみたいだぞ」

「先刻、警察に追い回されたばかりなのに」

「一体何を考えているんだろうな」

「なんだか気味が悪いわ……」


周囲の大人達の陰口は時折、少年の耳に入ることもあった。だが、彼はそんなこともお構いなし。先日の巡査が周囲にいないことを確かめ、いつものように手に持った模型を、川の上流に向けて放り投げた。

街一帯を撫ぜる穏やかな風は、日に照らされ白く透き通った模型を、いつもより遠くの距離まで運んでくれた。少年は嬉しくなって、口もとに笑みを浮かべる。日々の積み重ねにより、少しずつ成果が表れ始めていることを己の目で実感できたからだ。







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