15:名無しNIPPER[saga]
2016/09/04(日) 20:36:17.17 ID:UKdWgJlR0
「嫌! いやぁ!!」
必死に振り払おうと私は力任せに暴れ回った。
嫌だ!
「助けてお姉ちゃん!!」
瞬間、掴んでいた手が放れ、私を優しく抱きしめた。
「大丈夫。大丈夫よみほ」
必死に優しく頭を撫でる手に、私は動きを止める。
「お姉ちゃん……」
「もう大丈夫だ、みほ」
私の前に現れたのは、お姉ちゃんだった。
途端に込み上げてくる涙を抑えられずに、私はお姉ちゃんの胸に飛び込んだ。
「お姉ちゃん……お姉ちゃん!!」
「怖い思いをしたな。もう大丈夫だ。お姉ちゃんが付いてる」
お姉ちゃんはそう言うと、後ろを振り返って叫ぶ。
「皆聞け!! 今すぐこの会場から出るんだ!!まずはこの会場から出て、逃げながら仲間と合流しろ!! 出口は上と左右の三か所だ!! とにかくここから脱出するんだ!!」
「OK! 分かったわ!」
「イ、イエス、マァム!!」
「そど子! こっちだ!!」
各方面から声が響き、次いでドアの開く音が次々に聞こえる。
「私達も出よう。走れるか」
「う、うん……!」
さっきまで言う事を聞かなかった体は嘘の様に自由を取り戻していた。
分からない事が多すぎるけど、とにかくまずはここから出る事が先。
お姉ちゃんに手を引かれ、私達は左手にある扉を目指した。
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