31:名無しNIPPER[saga]
2016/09/09(金) 23:44:15.71 ID:cvsvdL3i0
「どういう事だ?」
「簡単な事だ安斎さん。私達を閉じ込める為に全ての入り口を封鎖したら、あの眼鏡はどうやって外に出るんだ」
「なるほどそうか!」
安斎さんが手に持った鞭を掌で鳴らす。
「どういう事よ冷泉さん。ちゃんと説明しなさい」
そど子の声に、沙織も頷く。
「つまりはパンフに乗っていない抜け道がどこかにあるはずだ。そこを見つけることが出来れば脱出できる」
「ホント!? それってどこにあるの!?」
「沙織、うるさい……。分かってたらとっくに向かってる」
「そっかぁ……そうだよね……」
「とにかく今は他のメンバーと合流しながら出口を探すしかないだろうな」
流石はアンツィオの隊長、状況整理が早くて助かる。私は無言で頷いた。
「みぽりん、大丈夫かな……」
「西住隊長ならきっと大丈夫よ。私達よりしっかりしてる所あるし」
「でも私達よりも抜けてる所もあるし……」
「それは……そうね」
「西住さんは大丈夫だろう。きっと傍には黒森峰のお姉さんが付いてる」
私達は顔を見合わせて笑う。
震える西住さんの前に毅然として立つ姉の姿が容易に想像できたからだ。
やることは決まった安心からか、皆の表情も少し柔らかくなった。
その表情は、
カツン、と。
靴底が当たる音で一瞬にして消え去った。
私は直ぐに椅子から飛び降り、物陰から通路を覗き見る。
……。
…………。
…………………ヤツが、来た。
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