38:名無しNIPPER[saga]
2016/09/12(月) 23:10:20.21 ID:hBCbX2QX0
「冷泉さん!!」
私は沙織さんの元へ駆け寄ろうとする冷泉さんの体を寸での所で捕まえた。
「沙織、沙織!!」
「お願い冷泉さん!! お願いだから落ち着いて……!!」
「離せぇぇぇぇぇぇェぇぇぇぇぇ!!!!!!」
私はただただ彼女の体を抱きしめる。
癇癪を起した子供の様に腕の中で暴れる冷泉さんを引き摺って、エレベーターの方へ向かう。
「おい、急ぐんだ! あいつがこっち見てるゾ!!」
エレベーターのボタンを押して待っている安斎さんが引き攣った表情を浮かべて言う。
私はなるべくそちらを見ない様にしながら、全身全霊で冷泉さんをエレベーターへと放り込む。
エレベーターに乗り込んだことを確認して、安斎さんが扉を閉めるボタンを連打する。
こちらの意図とは無関係に、エレベーターはゆっくりとその扉を閉める。
「沙織ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
冷泉さんが最後にあらん限りの声を出して、
扉は、完全に絞められた。
扉の先に見えた光景を、冷泉さんは見ていなかった。
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