過去ログ - 幸子「ボクはプロデューサーさんのことが嫌いなんですよ」
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:
名無しNIPPER
[saga]
2016/09/04(日) 20:35:53.38 ID:06f3lTXT0
小学生のころ。ボクは真っ白なワンピースを着飾って、頭にリボンなんかつけて、まるでお人形のように、大切に大切に育てられていた。
それこそショーケースに入れられて、誰にも触られないように。なんて、バカバカしい過保護っぷりで。……ホント、ばっかばかしい。
はぁーい、お嬢さんもっと笑って〜。何度目かの家族写真で、家の専属カメラマンがボクにわらいかける。
でも、ボクは笑えなかった。うまい笑い方を知らなかった。
だから昔の写真を見返すたびに、女の子は服の裾を握って、隅の方でむすっと顔を顰めていた。まったくカワイクない顔で。
両親はそのことについて何も咎めなかった。たぶん、それが”ボク”なんだと。勝手に思っていたのだろう。
……ボクだって、そう思っていたのだから。仕方ないのかもしれないけれど。
でも、そんな世界はボクにとって当たり前で、息苦しいとも感じなかった。
そんなことを考える前に、お稽古や、習い事をこなさなくてはならなかった。
ボクは「イヤだ」の言い方も知らなかったのだ。
「またひとりでご飯食べてるの?」
学校のクラスメイトはいつも厭味ったらしく笑った。ボクは何も言わずに、小さくうなずく。そんな反応を見て、嬉しそうに彼女たちは声を上げる。
人付き合いもあまり得意ではなかった。いつだって、ボクと誰かとの間には壁があって。なんとなくそれを肌で感じてはいたけれど。それを壊す勇気も、やりかたも、生憎ボクは持ち合わせていなかった。
そんな性格だったから、学校ではいつも一人で。家族にそれを悟られないようにすることで、ボクの頭はいっぱいだった。
悩みを打ち明けられる友達も、先生も、親も。ボクにはいなかった。そうだ。ボクには何もなかった。空っぽな人間だった。
それが――輿水幸子だった。
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:
名無しNIPPER
[sage]
2016/09/04(日) 20:50:54.14 ID:g6FforBuo
は?
3
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/09/04(日) 21:17:38.64 ID:iGSELf7Po
つづきはよ
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