2: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 21:50:18.97 ID:sQoozybl0
まずリンゴに殺したい相手の名前を鏡文字で刻む。
そして夜にリンゴを鏡の前に文字が写るように置き、こう唱える。
「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番憎いのはだあれ?」
3: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 21:52:38.38 ID:sQoozybl0
人を殺すおまじない。
学生の間で流行るにしては物騒にも程がある。
けどそんなことよりも気になるのは。
4: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 21:56:45.33 ID:sQoozybl0
「ちなみに報酬がリンゴなのは、毒リンゴへのトラウマから毒じゃないリンゴをくれる人には好意的になるからだって」
「そんなトラウマを持つ人にリンゴ渡すのは嫌がらせだと思う」
聞けば聞くほど『白雪姫』では無理がある内容に思えてくる。
5: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 21:59:11.95 ID:sQoozybl0
「呪いなんてあるとは思わないけどさ」
と友達は椅子にだらしなく座りながら私の顔を見た。
6: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:03:26.61 ID:sQoozybl0
私は工藤忍、アイドルだ。
田舎に住んでいた私はアイドルになりたかったけど、親も含めて誰も応援してくれなかったから一人上京してアイドルをしている。
今思えば結構無茶なことしているけど、結果的にアイドルになれたんだからよかったと思っている。
7: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:07:19.64 ID:sQoozybl0
そうそう、初めは反対していた家族も、今では私がアイドルを続けることを応援してくれている。
初めは味方がいなかった私が、今は事務所のみんな、学校の友達、ファン、そして家族に支えられながらアイドルをしているんだから驚きだ。
こんなに嬉しいことはないし、とても有り難いことだと思う。
8: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:13:52.97 ID:sQoozybl0
放課後はそのまま仕事場へ直行。
今日は雑誌の撮影だった。
そして仕事を終えて事務所へ。
9: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:15:23.25 ID:sQoozybl0
考えていても埒が明かないので、近づいて聞いてみることにした。
「どうしたの?」
後ろから声をかけると後輩ちゃんはびくうっと体を震わせる。
10: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:22:05.86 ID:sQoozybl0
とりあえず後輩ちゃんを連れて家に帰る。
事務所ではできない話か、それともプロデューサーさんには聞かれたくない話か。
どちらにせよ、泣いている状態で外にいさせるわけにもいかない。
11: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:22:53.27 ID:sQoozybl0
今日後輩ちゃんはプロデューサーと一緒にテレビ局へ収録に行ったらしい。
そしてとある大物芸能人の控室へ挨拶に行った時のこと。
プロデューサーに番組スタッフから声がかかり、ほんの少し席を外した時にホテルの場所と番号を教えられたのだという。
12: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/09/04(日) 22:25:57.44 ID:sQoozybl0
「私、どうしよう……」
話し終えた途端、後輩ちゃんはまた肩を震わせて泣き出した。
どうしよう、と言っているがこの子はこのままだと今夜ホテルへ行くに違いない。
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