過去ログ - ちひろ「お疲れさまでした、プロデューサーさん」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/05(月) 19:19:15.16 ID:bWNtJ/Vx0
P「……で、落ち着いたか」

奏「みっともないところを見せたわね。ごめんなさい」

P「いや、すまん。気づかなかった俺が悪い。手首、大丈夫か?」

奏「……ん。そうね。つかまれたところが赤くなってるけど、平気よ」

P「氷持ってくる」

奏「いいの。このままで。消しちゃうのは、もったいないもの」

P「…………それで、奏。さっきの話なんだが」

奏「結婚のこと? 大丈夫よ、言いふらしたりなんかしないわ」

P「恩に着る。事は慎重に運びたい」

奏「……でも、そうね。私、とても悲しかった。あなたが結婚すると知って。私のキスを拒み続けたくせに、するときはあっさりしちゃうのね?」

P「責任は取らないといけないからな」

奏「どんな人なの?」

P「………………」

奏「そう、私の知ってる人なのね。年上? いえ、違うわね。年下……あら、私よりも小さい子なのね」

P「……心を覗くな」

奏「覗いてなんかいないわ。あなたの瞳が勝手に告白しているのよ」

P「………………」

奏「あら、目を閉じるんだ。ふーん。いいのかしら、私の前で目を閉じたりなんかして。キス、しちゃうわよ?」

P「……しないよ。お前はなんだかんだ言って、人を傷つけるような真似はしない」

奏「あら、ひどいわ。私とキスすると傷つくんだ?」

P「そういうことじゃない。今ここでキスをしたら、あの子が傷つくとお前はわかっている。不貞を働くには優しすぎるんだよ、奏の心は」

奏「……よくわかってるじゃない。さすがね、プロデューサーさん。でも、そこまでわかってるなら……私の気持ちも、わかってるわよね?」

P「それは……すまない」

奏「悲しいわ。苦しい。妬ましい。憎しみで心が張り裂けそう。怒りで我を失って、洗いざらいすべてをぶちまけてしまいたい。ねえ、プロデューサーさん。激情に震える唇を、私はどうやって閉ざせばいいのかしら。ともすれば飛び出しそうになる、この行き場のない想いを、どこへしまっておけばいいのかしら。ねえ、プロデューサーさん。教えてくれる? この傷は、どうやって塞げばいいの?」

P「……泣くな。頼むから」

奏「さすがね、プロデューサーさん。目を閉じてるのに、ちゃんとわかるんだ。でも、私は泣いてなんかいない。私が流しているのは涙じゃないもの。この頬を伝うのはね、血なの」

P「奏、お前……」

奏「わかっているわよね、プロデューサーさん。この傷を癒す術を。目を開けて。私を見て。口づけをして。貴方から、貴方の唇で、この血を全部、吸い出してちょうだい。何も言えなくなるまで。私の傷が、満たされるまで」

P「だがそんなことをしたら―ー」

奏「わかってるわ。確率は低いとはいえ、キスしたら妊娠してしまうかもしれない。でも、私はずっと言い続けてきたじゃない。キスしてって。わかってるわよね、プロデューサーさん……これ以上は、女の子に言わせないで」

P「……わかった。でも、初めてだからな、うまくできないぞ」

奏「知ってる。それに、私も初めてだから……優しく、してね」



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