過去ログ - 佐久間まゆ「あなたを待ちわびて」
↓ 1- 覧 板 20
1: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 21:59:40.68 ID:RE0Y+nXd0
・アイドルマスターシンデレラガールズ、「佐久間まゆ」メインの二次創作SSです。
・今夜のうちに完結するくらいの短編SSです。今夜のうちに。
・いろいろな佐久間まゆのうちの、ひとりの佐久間まゆのおはなし。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆dCFehqwTmo[sage saga]
2016/09/06(火) 22:05:05.96 ID:RE0Y+nXd0
子どもの頃、お父さんがある絵本をわたしに読んでくれたことがあります。
親を亡くして、お仕事を探す少年と、
貧しさから遠い地でお仕事をしてて、久しぶりに両親に会いに行く少女が、
ある船の上で出会う、そんなお話です。
3: ◆dCFehqwTmo[sage saga]
2016/09/06(火) 22:05:51.88 ID:RE0Y+nXd0
『あなたを待ちわびて』
4: ◆dCFehqwTmo[sage saga]
2016/09/06(火) 22:10:01.23 ID:RE0Y+nXd0
「……仙台で、お仕事?」
アイドルとして活動をはじめて、もうどれくらい経ったのだろう。
華々しくはないけれど、それでも、応援してくれる方たちに恵まれて、わたしは忙しい日々を送っていた。
そんな、ある日。
5: ◆dCFehqwTmo[sage saga]
2016/09/06(火) 22:13:16.45 ID:RE0Y+nXd0
「あっちには2泊ほどする予定でね。平日の撮影だから、学校とも話を通したよ」
「この日程……いつもの収録とかぶりません?」
ロケの日付は、ちょうどわたしの担当するラジオ番組の収録日だった。
6: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 22:17:33.01 ID:RE0Y+nXd0
「それにしても、ずいぶんと余裕のあるスケジュールなんですね。ロケ、一日で終わりません?」
わたしは予定表を指さす。
ロケ地は3か所。どれも仙台駅からそう離れていない距離で、準備や移動の時間を差し引いても二日三日かかるロケとは思えなかった。
7: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 22:21:02.11 ID:RE0Y+nXd0
「……あ、ああ、違う!違う!べつにそういう意味じゃ……!!」
あなたは何か察したのか、そう言いながら両手を振るう。
『そういう意味』?
8: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 22:23:16.42 ID:RE0Y+nXd0
あるお仕事を思い出す。
それは、ついこの間。初夏の頃のこと。
ある雑誌で企画されているブライダル特集の撮影で、わたしはウエディングドレスを着ることになって。
撮影の休憩中、あなたを、教会に呼び出したときのこと。
9: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 22:26:29.88 ID:RE0Y+nXd0
「……きみは」
あなたの言葉を遮るように、わたしは右手の手のひらをあなたに差し出し、頭を振る。
左手には紅いバラのブーケ。
開け放たれた扉から入り込む潮風が、わずかに散っていた花びらを巻き上げる。
10: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 22:27:05.16 ID:RE0Y+nXd0
――あなたはプロデューサーで、佐久間まゆはアイドルだから…わたしとあなたは決して結ばれないって…知ってるから…。
50Res/21.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。